進撃のドンキ 酒井大輔

読書

読み終えた日:2024年10月25日 70冊目

タイトルのインパクトにつられて思わず手に取った1冊。

全399ページとだいぶボリューミー。

タイトルの通り、ドン・キホーテを運営する「パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)」の大躍進の秘訣が余すところなく存分に語られている。

本書で幾度となく「権限委譲」というワードが出てくるが、これが深い。

そしてこんな超大企業に成長してもなお、創業者安田隆夫氏(現:最高顧問)の理念をしっかり受け継いで、組織がまとまっているのがすごい。

本書はもちろん小売業(PPIHは小売業という枠組みを大きく超えているが)向けの内容が中心となっており、私は、ビジネスのインプットというより、純粋に物語として楽しんだ部分もある。

そんな中で、学びの深いと感じた内容の一部を抜粋。

あるとき、売上などの数字がみるみる上向き始めた。何か特別なことをしたわけではない。話し合いを繰り返した結果、「自分で考えて行動する文化が現場レベルに浸透した。」そう町田氏が手応えを感じた瞬間、数字が跳ねた。

積み重ねた失敗の分だけ、得るものも大きい。挑戦がなければ、失敗もない。失敗したということは、リスクを取った証でもある。挑めるだけの権限が現場にあるからこそ、そこの境地に辿り着ける。

「挑戦」という2文字が失われたら、成長は止まる。そうならない為に、仕事をゲームに変えながら、完全実力主義と権限委譲で組織を活性化させていく。仕事をワークではなく、ゲームとして楽しめ。

相手の気持ちも分からない者が、人に強くなれるわけがない。

高い志とモラルに裏付けられた、無私で真正直な商売に徹する。

著者の名前に見覚えがあると思ったら、以前読んだ「ワークマンはなぜ2倍売れたのか」を書いた方だった。

酒井氏はタイトルとデザインで私の興味を引くのがうまい。

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