パーフェクトな意思決定 安藤広大

読書

読み終えた日:2024年10月14日 69冊目

前作「識学シリーズ三部作」の新章として書き下ろされた一冊。

まず、とにかく読みやすい。私の読みやすさの定義は、

  • 専門用語や難しい言葉を使いすぎていない。
  • 1ページ毎の文字数が多すぎない。
  • 大事なポイントが強調されている。
  • 具体例がある。

であるが、読みやすいと、読み進んでいる実感が沸き、集中力が持続する。

前作の識学シリーズ三部作含め、安藤広大さんの作品はこの「読みやすさ」がすごく好きなポイント。

また、前三部作では各々、明確なターゲットが設定されていた。

  • 「数値化の鬼」⇒プレーヤーとして結果を出したい人。
  • 「リーダーの仮面」⇒マネージャー初心者の人。
  • 「とにかく仕組化」⇒さらに上を目指していく人。

本書に関しては、あまりターゲットを絞っている印象はなく、幅広い方に読んでいただけるが、どちらかというと、より大きな物事を動かす為の重要な決断を迫られるような、マネージャー寄りの内容と感じた。

とにかく学びが多く、頭では分かっていても、実際は行動できない理由や、マインドをどう持つべきかなどが、非常に上手く言語化されている。

下記、自身の解釈も含めた、学びの深いと感じた内容の一部を抜粋。

前提を疑う。別のプロセスを試してみる。その積み重ねによって大きな成果を出す時代である。誰かが決めたことではなく、自分で考えて意思決定すること。ひいてはそれが、誰かに従う人生を生きてはいけない、ということでもある。

なんとなくやる、なんとなく結果が出る。なぜうまくいったか、なぜ失敗したか。それを反省することができない。なぜなら、自分の意思がないからである。

いつだって、決めた人が偉い。後出しジャンケンはスルーするしかない。

反対されることがデフォルト。すべての物事は賛否両論だ、というスタンスでいること。

「検討する」という言葉は英語で「consider」と訳すが、本当に慎重に議論することを意味する。日本人はconsiderを安易に使うこと(例えば、遠回しにお断りする時など)が多く、アメリカ人はそのことを不満に思う。本当は「ノー」なのに、「検討します」と言って期待させることは、全裸よりも恥ずかしいことである。

決めない状態は気持ちいい。でも決めなくちゃいけない瞬間がやってくる。先延ばしの気持ちよさから逃れよう。

仮説を立てて、どちらかを選ぶ。それが選択に「意思を持たせる」ということ。もし仮説がなければそれは、「反応しているだけ」。

自分に都合の悪いことでも、受け入れられるかどうか。ここでの差が、仕事の成果になって表れる。もちろん、受け入れられる人は成長する。

まず、「修正する=成長する」ということに認知を変えること。成功したらそのまま成功体験に変わるし、失敗したら修正ができる。すなわち成長できる。

一発で当てようとしない。長期的にビジネスに取り組むときは、特に、やる気が無いときのコントロールが重要。そこで大事なのは、粛々とサイクルを回し続けるという状態。一発で当てるために、長時間考えすぎないこと。

「ある程度の不確実な状況の中で思い切った意思決定」は、早く実行して修正すれば、「じっくり時間をかけて慎重に決めた意思決定」に勝てる。

デメリットが思い浮かばないときのほうが、リスクを考えていないのだから、危ない。

「なんとなく選択する」という人生を送ると、やらなかった後悔が残る。これは人生最大の後悔になる。だから意思を持つ。変化意思を持つ。

安藤広大さんの作品は、ぜひ、多くのビジネスパーソンに読んでいただきたいと思う。

てか、表紙がシンプルで、光沢があってかっこいい。

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